農業体験③
ある夏の農業ボランティアバイト(ボラバイ)の続き。
2日目
なかなか寝付けなかった。そりゃそうだ。今まで深夜1時とかに寝ていたんだもの。
急に21:30に寝られるわけない。
初日なので何から何まで初めてづくし。
女子大生Kさん、あまり人とかかわりたくないタイプとおぼしきSさん(昨日ぶどうをくれた女性)
みんな起きるからすんなり4時半起床。
第一関門クリア!
薄暗い中とにかくさっさと身支度を整えて5時前に寮を飛び出し軽トラで茄子畑へ。
このボラバイト先の農家Yさん宅では桃の他にもナスなどの野菜を作っていた。
簡単にご主人Yさんから収穫していいサイズ、収穫方法などのレクチャーを受けて
背丈ほどに伸び茄子のトンネルみたいになってる畑を、一輪車を押しながら進んでどんどん収穫していく。
この日は暑くて、数日前からボラバイトへ来ているKさんに、
上下ウィンドブレーカーを着て作業する方が良い。
なぜならチクチクかゆくなるからと言うアドバイスを聞かずに
薄手の長袖で茄子収穫作業。
するとなるほどチクチクかゆくなってきた!
顔もタオルで覆うといいと言われてたけど暑くて
顔丸出しで作業してたら顔もかゆくなってきた。
見えない細かいトゲのようなものが肌にささってチクチクするのだ。
そのトゲのようなものを触った手で他のところをかくとそこがまたかゆくなる。
そういえば朝の陽射しに向かって茄子をハサミでカットする時
ふわっと粉みたいなものが周囲に巻き上がる。
おそらく葉っぱや茎から何か出ているようだった。
明日から対策しなきゃ。
桃は産毛でチクチクする予想はしてたけど
茄子もチクチクするとは予想外。
新たな発見であった。
それから茄子のヘタのトゲも予想以上に鋭利で手に刺さると驚くほど痛い。
収穫した茄子を積み帰宅。
25分位の休憩で(!)朝兼昼ご飯をちゃっちゃとかき込み
今度は家の敷地内にある作業場で茄子の箱詰めスタート。
サイズや傷がないことなどによって値段が違うのだと言う。
ここの農家Y家のおばあちゃんが選別し、ボラバイトの私たちがそれを段ボールにきっちり並べて箱詰し梱包していく。
Kさんがやり方を教えてくれてこの日は何とかこなす。
Kさんは年下だけどわからなかったら聞いてください!
と笑顔で言ってくれて頼もしい。
彼女は去年もここへ来て手伝っているのだそう。
Sさんは黙々と自分の作業をしていて誰とも会話らしい会話はしていなかった。
まあ、そういうタイプなんだと思った。
箱詰め作業が終わるとY家のご主人ご指名で出荷場所へ荷下ろしに同伴。
朝9時から15時までノンストップで動き続けているので
頭がぼーっとしてくる。
ちょっとこの辺記憶がない。
15時20分作業終了。
くたくたで夕飯を食べ20時30分ごろには倒れ込むように就寝。
まだ初日だったので必死でなんとかこなしたが、
当初の滞在予定1週間…体がもつかちょっと心配になった。
この頃まだ化学物質過敏症と言う自覚がなく
パニック障害だと思って精神科からもらった薬を飲んでいた。
後々、薬=化学物質であるから摂取しないほうがよかったことを知る。
それから作業中ぼーっとして頭痛がしてたのは、
暑さや疲れのせいでなく作業場で焚かれていた蚊取り線香やあるいは
果樹栽培で大量に使われていると言う農薬に
反応していたのかもしれないと、今になって思う。
ボラバイトは続く…