田舎暮らしへの道

アラフォー独身女による田舎暮らしへの道

農業体験⑤

f:id:inkgrs:20210411085337j:plain 4日目


4時半起床。5時から茄子の収穫スタート。

7時半収穫終了。

ごはんかき込んで8時から茄子の選別と箱詰め作業。


この日も農家Y家のおばあちゃんは無言。

作業の流れをやっと掴んできた私は、メモを取りながら何とか食らいついていく。

天然キャラSさんと2人での作業。

しかし頼れるのは自分だけ。

時々おばあちゃんはどうでもいいことで怒りをぶちまけてくる。

私は元来、無言のひとり作業は慣れているので

女性同士がペチャクチャオチのないおしゃべりしながら作業する職場が苦手。

そういう環境ストレスで胃が痛くなったり禿げたりしたこともある。

できるなら黙ってて欲しいんだけど。

おばあちゃんは無言の空気を我慢できない人らしい。

自分でエアコンつけといて、やっぱ寒いからエアコン切れとか

理不尽なこと言ってくるからもう、途中でコントみたいに思えてきて

ちょっと面白くなったりもした。

でも早く帰りたいと言う気持ちがどんどん大きくなっていたのは確か。

仕事が嫌なんじゃない茄子にも罪は無い。

機嫌が悪い人と一緒にいたくないだけ。

あんな風な人間には絶対になりたくない。

それは努力でコントロールできることだと思うから。


収穫量が落ち着いたことや、作業が早くできるようになったからか

1320分に終了。

これまで余裕がなかったため精神科でもらっている薬を

飲み忘れたり、もらった茄子を

料理する暇もなかったが、

ここへ来て初めて茄子を油で揚げて食べてみた。

みずみずしい茄子は油に入れるとえらくはねたけど、とろけるようにおいしかった!

たくさん作って天然キャラSさん、

はつらつとした笑顔が印象的な

新人Oさんにも勧めるとおいしいと言ってたくさん食べてくれた。


この頃にはすんなり21時に就寝できるようになる。

そして突然の吉報。ご主人から翌日は休みだと知らされる!

仕事のマニュアルをまとめつつ、翌日どこへ行こうか調べた。

とにかくどこか遠くへ行って1人になりリフレッシュしたい!!!

まだ3日目だけど


というわけて翌日1人で温泉へ行くことに決めた。


つづく…



農業体験④

3日目


魔の1日が始まる

面倒見のいい女子大生Kさん、ボラバイト最後の日。


4時半起床、5時にボラバイト受け入れ農家Y家のご主人、おばあちゃん、

Kさん、天然キャラSさん、私の5人で軽トラに乗り合わせ茄子畑へ出発。


この日も暑い中ウィンドブレーカー上下で茄子の収穫作業。きつい。

汗だくになりながら70グラム以上に育った茄子を

チクチクする葉っぱと葉っぱを掻き分けて見つけ出しハサミでカットしていく。

ツヤのいい80グラム前後のものが高値で取引されるそうだ。


日が登ってくるとウィンドブレーカーの中はサウナ状態。

顔には昨日の経験からチクチク対策にマスクをしていた。

頭にもタオルを巻き、手袋もしているので汗が出る部分がおでこ位。

汗が滴り落ち目に入る。

まだ作業にも慣れていないため景色を見る余裕もない。

きっと朝日が綺麗だったろう。


840分収穫終了。寮へ帰宅。

気分的にはあんまり食欲なかったけどこの日位から体的にエネルギーを欲し出してきた。

25分休憩の間にちゃっちゃとしっかり食べる。

塩をかけた白米だけど。


離れの一軒家が私たちボラバイターの寮になっている。

ここは他の農家さんの所と比べて短期間の受け入れもやっているので

前のボラバイターさん達が食べきれなかった

食材やらゴミやら何やら、いつ買ったのかわからないまま残されていた。

正直初めて来たときの感想は

「うわ、汚ねえ」だった。


2 DKキッチン、バス、トイレ、洗濯機共用。

個室と聞いていたけれど実際は襖1枚で2部屋が仕切られているだけ。

そこに初対面の3人女性が共同生活をする。修行だ。

幸い今回出会った方々は皆人当たりよく

ボラバイト経験ある人たちばかりだったので

いろんなボラバイトの話を聞かせてくれたり、

気がついた人がお米を率先して炊いてくれたり、

掃除してくれたり、お風呂譲り合ったり、

とても協力的で快適に過ごすことができた。

ラッキーだったと思う。

こういう環境ではなおさらコミュニケーションとることが

とても大きな意味をなすと実感した。


ちょっと天然キャラで不思議ちゃんかなと言う

第一印象を持ったSさん。

自分の要望をふわふわした喋り方なのにはっきり言うことがあり

ちょっといらっとすることもあった。しかし

「仕事に集中すると周りのこと見えなくなっちゃうんです、ごめんなさい!」

と言いながら泣き出しそうになった時は思わず笑ってしまった。

そして(あ、わかってはいるのね)と思ったら怒りはおさまり

その告白以降いらっとすることがなくなった。

だから自分の状況を正直に相手に伝えることって

大事なのだなと思った。

それをきっかけに私も身の上話をたくさんした。


この日が最後のKさんと入れ替わりで新しい人が1人寮に来た。

定住せずボラバイトを渡り歩き生活していると言う(!)

20代のOさん。

彼女は初っ端から

「空気読めないって言われるのでそういう時言ってください!」

と日焼けした爽やかな笑顔で言ってきた。

とても清々しい印象を受けた。

協力しなければならない場面に於いてまず

歩み寄りと相互理解から物事がスムーズに回りだす。

しかしこの腹を割りあえるようになったきっかけは

茄子の箱詰め作業で追い込まれたからなのだった


Kさんが茄子の箱詰め作業途中で帰宅。

急にKさんが抜けたから作業が滞り出した。

Aランクの茄子とBランクの茄子を箱詰めする作業をKさんがずっと担当していた。

説明受けてない私がそこをやるしかない。

しかし私はまだ慣れておらず頼るのはSさんのみ。

だっておばあちゃんはひたすら茄子を仕分けしていて

聞ける雰囲気じゃないのだ。

それでも仕事だからおばあちゃんに質問すると

M(サイズ)」「大(の箱)」

とか一言しか返ってこない。

茄子の詰めかたもサイズによって違うので、どう詰めたらいいのか、

何本詰めたらいいのか必死に察しようにも

なにしろ初めてここに立っている私は理解できなくてミスしてしまった。

するとみるみるおばあちゃんの機嫌が悪くなってくる

イライラしているのが手に取るようにわかる。

私が女性の職場が苦手なのは感情によって

仕事が非効率的になるこんな画面によく出くわすから。

(あくまで私の人生上の統計です)


言葉足らずだったり説明してくれなかったりするくせにできないと起こる。

聞いても怒ってるし、怒ってるからこっちはさらに聞けなくなる。

萎縮するばかりである。

仕事が終わるのが遅くなって自分の首をしめていると言うことに

どうやら気づいてない。

そういう場面に出くわすたびに反面教師にしてきた。

新しい人が入ってきたらちゃんと教えてあげよう。私はさらに強くそう思った。


この日は9時から15時までノンストップの箱詰め作業となった。

私たちが慣れてないことに加えおばあちゃんの不機嫌、

暑さ、茄子の収穫量の多さで私は後半意識もうろう。

頭が痛くなった。

そんな中でおばあちゃん、言葉でも怒りぶちまけまくりだしついにSさんがキレた。

「教えてもらってないんです!!」

アニメ声で必死に反論するSさんを

頭痛でぼーっとしながら眺めつつ

私はまた農家のご主人の軽トラで出荷場へ荷下ろし手伝いに同伴。

Sさん自体もあまり教えてもらっていないのに加え、

私が理不尽におばあちゃんに怒られていることも含めて

Sさんは反論してくれたと感じたので、私は私でご主人に訴えた。

「今日初めてやることも多く言葉少ないおばあちゃんの説明を察しきれずミスしてしまいました」

と言うとご主人は

「あー前から言ってるんだけどね。ちゃんとこれを箱にこうやって詰めてっていうところまで言わなきゃわかんないよって。言い方1つで仕事って変わるって。でも治らないんだよ〜」

と言われた。ここでも理解してもらえたことで多少スッと落ち着いた。

話によるとおばあちゃんは職人の家系出身なのだそうで。

見て覚えろ!みたいな厳しい世界で育ってきた方らしい。

ご主人は一般企業でも働いたことがあるとのことで、

言い方1つで状況が変わることをわかっている。

わかってはいるのだろうが


荷下ろしから帰ってきてすぐ、今度は桃の収穫の手伝いに行くことになった。

桃の木のある場所までおばあちゃん運転の軽トラに乗ることに。

軽トラ内でも桃の作業中も終始おばあちゃん無言。

桃の木の下で作業する際も桃の葉っぱを投げつけたりしている。

明らかに機嫌が悪く、私もストレスだった。早く帰りたくなった。


寮に戻ったのが18時半。これでこの日の作業終了。

寮の米が少なくなっていることに気づいた。

米と野菜は支給してもらえる約束だったので

米が欲しい旨を伝えにご主人を探し敷地内の作業場へ戻ると

なんとご主人とおばあちゃんが取っ組み合いの喧嘩をしていた。

「お米が!お米がないのですが!!」

わざと割って入って大声で言った。

するとご主人が

「くそばばあ!!!」

とおばあちゃんに吐き捨てておばあちゃんを突き放した。

私は何事もなかったかのようにお米の話を続けたが、

どえらいもん見てしまったと思った。


つづく…



農業体験③

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ある夏の農業ボランティアバイト(ボラバイ)の続き。 


2日目


なかなか寝付けなかった。そりゃそうだ。今まで深夜1時とかに寝ていたんだもの。

急に21:30に寝られるわけない。

初日なので何から何まで初めてづくし。

女子大生Kさん、あまり人とかかわりたくないタイプとおぼしきSさん(昨日ぶどうをくれた女性)

みんな起きるからすんなり4時半起床。

第一関門クリア!

薄暗い中とにかくさっさと身支度を整えて5時前に寮を飛び出し軽トラで茄子畑へ。

このボラバイト先の農家Yさん宅では桃の他にもナスなどの野菜を作っていた。


簡単にご主人Yさんから収穫していいサイズ、収穫方法などのレクチャーを受けて

背丈ほどに伸び茄子のトンネルみたいになってる畑を、一輪車を押しながら進んでどんどん収穫していく。

この日は暑くて、数日前からボラバイトへ来ているKさんに、

上下ウィンドブレーカーを着て作業する方が良い。

なぜならチクチクかゆくなるからと言うアドバイスを聞かずに

薄手の長袖で茄子収穫作業。


するとなるほどチクチクかゆくなってきた!

顔もタオルで覆うといいと言われてたけど暑くて

顔丸出しで作業してたら顔もかゆくなってきた。

見えない細かいトゲのようなものが肌にささってチクチクするのだ。

そのトゲのようなものを触った手で他のところをかくとそこがまたかゆくなる。

そういえば朝の陽射しに向かって茄子をハサミでカットする時

ふわっと粉みたいなものが周囲に巻き上がる。

おそらく葉っぱや茎から何か出ているようだった。

明日から対策しなきゃ。

桃は産毛でチクチクする予想はしてたけど

茄子もチクチクするとは予想外。

新たな発見であった。

それから茄子のヘタのトゲも予想以上に鋭利で手に刺さると驚くほど痛い。


収穫した茄子を積み帰宅。

25分位の休憩で(!)朝兼昼ご飯をちゃっちゃとかき込み

今度は家の敷地内にある作業場で茄子の箱詰めスタート。

サイズや傷がないことなどによって値段が違うのだと言う。

ここの農家Y家のおばあちゃんが選別し、ボラバイトの私たちがそれを段ボールにきっちり並べて箱詰し梱包していく。

Kさんがやり方を教えてくれてこの日は何とかこなす。

Kさんは年下だけどわからなかったら聞いてください!

と笑顔で言ってくれて頼もしい。

彼女は去年もここへ来て手伝っているのだそう。

Sさんは黙々と自分の作業をしていて誰とも会話らしい会話はしていなかった。

まあ、そういうタイプなんだと思った。


箱詰め作業が終わるとY家のご主人ご指名で出荷場所へ荷下ろしに同伴。


9時から15時までノンストップで動き続けているので

頭がぼーっとしてくる。

ちょっとこの辺記憶がない。

1520分作業終了。

くたくたで夕飯を食べ2030分ごろには倒れ込むように就寝。


まだ初日だったので必死でなんとかこなしたが、

当初の滞在予定1週間体がもつかちょっと心配になった。


この頃まだ化学物質過敏症と言う自覚がなく

パニック障害だと思って精神科からもらった薬を飲んでいた。

後々、薬=化学物質であるから摂取しないほうがよかったことを知る。


それから作業中ぼーっとして頭痛がしてたのは、

暑さや疲れのせいでなく作業場で焚かれていた蚊取り線香やあるいは

果樹栽培で大量に使われていると言う農薬に

反応していたのかもしれないと、今になって思う。


ボラバイトは続く



農業体験②

f:id:inkgrs:20210411102508j:plainある夏の農業ボランティアバイト(ボラバイ)の続き。

田舎暮らしをすることになったら農業やるしかない。経験しとくに越したことはない。

そう思って住み込み農業ボランティアバイトのサイトをいくつか見て決めた桃農家さんへ。

1日目

大学4年生だと言う明るい印象の女性Kさんが

軽トラックで農家さんの最寄駅まで

迎えに来てくれた。

この辺は果物の栽培が盛んな土地。

それと温泉もある。

のどかさと観光地風味が合わさった地域だったが、

私が住む場所より明らかに空気がきれいで

空が高かった。

住み込み先の寮(と言っても農家の離れの一軒家)に案内された。

Kさんは農作業の手伝いがあると言うことで

私はひとり留守番。

この収穫時期、1週間単位からボラバイターを

多数受け入れている気軽さもあってか

寮の中はやや汚れており待っている間に掃除をした。

そしてまだ時間があったので

近所のスーパーを調べて行ってみた。

さすが農業がさかんな地方だけあって

新鮮な野菜や果物が並んでいてなおかつ安い!

適当にご飯を買って戻ると、その日お休みで

外出していたボラバイターのSさんが外出から帰宅。

お土産のぶどうをもらったのだが、

これがとてもおいしかった!

しかしこのSさんがとんでもないキャラだと

いうことをまだこの時は知らなかった…

化学物質過敏症が発症した瞬間とそよ風クリニックへ行くまで

f:id:inkgrs:20210409094108j:plainここで化学物質過敏症がコップの水が溢れるごとく発症した瞬間のことから

専門クリニック受診に辿り着くまでの話を。

 

▼発症はある日突然

受診から1年半ほど前の梅雨時。

通勤電車の中で近くに立った人の柔軟剤のニオイで
一瞬にして喉が締まり息ができなくなり、
動悸、手足末端のシビレ、
あっという間に目の前に白いモヤがかかって
視野が狭くなり、意識が無くなって
倒れそうになりました。

当初はパニック障害だと思っていたのですが...

 実は数年前にパニック障害を発症した経験があり
一時寛解していたものが再び現れたものと思い込み
精神科でパニック障害の治療を受けます。

しかし何か違う。
体感的に別ものだと感じ始めます。

というのは“本格消臭”を謳い文句にした洗濯洗剤レノアで
洗濯したものを自宅室内で干していたところ
またあの日のように
一瞬にして喉が締まり息ができなくなり、
動悸、手足末端のシビレ、
あっという間に目の前に白いモヤがかかって
視野が狭くなり、意識が無くなって
倒れ込んでしまったからです。

自宅内で発作が起きるなんて
パニック障害がひどかったときには
一度も経験したことがありませんでした

しばらく立てず倒れたまま荒い呼吸に
身を任せることしか出来ませんでした。
救急車を呼ぼうとしましたが体は動きません。
しかしだんだん視界の白いモヤがとれてきて
やっと起き上がることができたので
救急車を呼ぶまでには至らず...

この体験は恐怖でした。
これはヤバいと思いました。

思い返すと電車の一件以来
人工的なニオイが漂ってくるだけで
頭痛、悪心、胃腸の不快感、げっぷ、頭重などが
数日間続くようになったことと
関連があるような気がしてきました。

今回は洗剤のニオイを吸い込んだことにより
引き起こされたことだと確信を持ちます。

ネットで調べると「化学物質過敏症
という病気の症状にぴったりではありませんか。
しかしこの病気を診てくれる専門医は
日本に少ないことを知ります。

 

*************

 

旭川医科大学医学部附属病院  
国立病院機構 盛岡病院 化学物質過敏症・環境アレルギー外来
かくたこども&アレルギークリニック (宮城県
青山内科小児科医院 (群馬県
北里研究所病院(東京都)
そよ風クリニック (東京都)
ふくずみアレルギー科 (大阪府
国立病院機構 高知病院 アレルギー科

 
 *************
※当時の情報のため現在状況変わっている場合があります。
 

上記は化学物質過敏症を専門とする主な病院です。
最近では化学物質過敏症を診てくれる民間の
クリニックも増えているようですが
逆に大きな病院では閉鎖する病院も...

 

発症直後は緑茶のニオイすらダメになり...
ダメなニオイがひとつ、またひとつと増える日々は
この先どうなっていくのかとても恐ろしかったです。

マスクを二重にして仕事へ行ってもその道すがら
すれ違う人の柔軟剤や洗剤、香水、整髪料、
ハンドクリームなどなど...のニオイで
気持ち悪くなりました。

職場へ行けば香料が入った
除菌・消臭スプレーをかけまくられた
ユニフォームを着なければならず
一日の終わりには頭痛と吐き気でぐったり。

酷い時には香料を吸い込んだ後
数日寝込む事もありました。

化学物質過敏症」の方のブログなどの情報を頼りに
できることをさまざま試しました。

まず身の回りの香料が入ったものを全て破棄。
シャンプー、リンス、洗顔料、洗濯洗剤、
せっけん、食器洗い洗剤...。

経済的に余裕がある暮らしではなかったため
とても痛い出費でしたが...
(体調を悪くする製品は安いものが多い)
本気で対処しなければヤバいと思い
全てを無香料製品に買い替えました。

すると不思議ととても楽に息が吸えるようになります。

 

▼ついに病院へ行くことを決意

 

食べ物に気を使ったり
なるべく毒素を体外排出
させるために汗をかいたり
無香料製品にしたり
出来る限りのことをしましたが、
やはり毎日外出し
息を吸うだけで苦しい日々が続きます。

通勤電車がダメになったので
それまでの仕事は退職。
この頃は日雇いアルバイトで食いつないでいました。
なるべく近場の現場を選べることや
体調が悪くなったら休めるからです。
もちろんこんな仕事の仕方だと
生活はままならない状況でした。

発症からおよそ1年後。
不安が募り
ついに病院へ行くことを決意。

居住地からいちばん近い専門医院
東京都にある
「そよ風クリニック」に
電話で問い合わせたところ
最短で4ヶ月後の予約になるとのことでした。

毎月初めに最短月の予約を
スタートさせるということで
翌月1日に改めて予約の電話をしました。

 

▼予約できた!

翌月1日。
電話をすると何度か話し中になりました。
患者さんがそれだけ殺到しているのでしょう。
何度かかけ直して予約することができました。

 

コンサートチケット発売日に
電話をかけまくった数年前以来です。
あんなに電話をかけまくったのは。

いろんなニオイで具合悪くなるので
コンサートのような
人がたくさん集まる場所には
もう行けませんけどね。

 

そよ風クリニックに電話すると
対応してくださった方から
保険が適用されないことや
来院時の持ち物などの説明をされたと思います。

来院までに必要書類を送るので
記入してきてくださいということでした。

第一歩を踏み出せたと少しホッとしました。

受診日より1ヶ月前くらいだったでしょうか。
病院から書類が送られてきました。

生活上でどういったものに過敏反応が起こるのか、
またどのような症状に悩まされるのかなどの
問診票がメインでした。

 

▼いざ病院へ

 予約から4ヶ月後。
待ちに待った受診日。

ところが病院がある荻窪までは
人ごみをかわし
都心の電車を乗り継ぎ
行かなければなりません。
緊張しました。

ネット通販でみつけた
活性炭マスクを二重にして装着。
各駅停車や空いている車両に
移りながら
時間をかけて向かいました。

 

活性炭マスクは通常のマスクより断然ニオイを通しません。
しかし二重装着でも近くにニオイの元が
ある場合は隙間から多少ニオイがします。

また活性炭がニオイ物質を吸着し蓄積。
今度はそれを嗅ぐことになるため
こまめに替えることが必要です。

 

その数年後、活性炭マスクもダメになりました。
30分も付けているとマスク自体の
素材の臭いとおぼしき酸っぱい臭いを
鼻奥に感じるようになりました。
さらにマスクをはずしても1日中それが
残り続けて苦しい事態に...

そのため現在、人がいる場所へ行くときには
いろいろ試した中で素材の臭いがしなかった
超快適マスクやガーゼのマスクなどを
二重にして突撃。
さっさと用事を済ませ逃げるように
立ち去るようにしています。

 

1時間前には病院の最寄り
荻窪駅に到着。
しかし駅から病院までの経路が
わかりにくくかなり迷いました。
地図を持って行ったのですが
閑静な住宅街の路地には
目印になる大きな建物がなく、
なかなかわかりにくい場所にあります。
時間には余裕を持って
行くことをおすすめします。

結局、駅から徒歩12分
とのことでしたが
1時間ほどかけ予約時間
ギリギリに到着。

1階に辻安全食品株式会社という
会社が入っている
古いマンションといった感じの外観。
2階の階段を登ると
そよ風クリニックの入り口がありました。

 

▼いざ診察

入り口を入ると前の患者さんが
数名いらっしゃいました。
木をふんだんに使った室内は
おしゃれな雰囲気。

受け付けをしてくださった
感じのいい女性看護士さんから
靴下と薄手の布で出来た
シャワーキャップのような帽子を
渡されロッカー室へ。

事前に送られて来た書類には
もちろん香料を持ち込まないようにと
書かれているのですが、
病院へ辿り着くまでにどんな
化学物質やニオイが付着するかわかりません。

靴下や髪の毛についた化学物質や
ニオイが病院内へ移らないようにという
徹底した対策に安心しました。

職場や友人に
柔軟剤のニオイで具合が悪くなる
と伝えても
「そうなんだ、クサかったら言ってね」
と理解は示してくれても
柔軟剤や抗菌剤配合の
洗剤を使うのを
やめてくれるまでの本気の対策を
してくれる人は少ないのです。
病院の本気を感じました。

 

まずは真っ暗な部屋で
眼球運動(自律神経)の
テストなどを行いました。
その結果が出たら診察室へ。

宮田先生はほがらかで
気さくな印象の白髪の先生です。
問診票やテスト結果を見ながら
化学物質過敏症です」
とついに告知されてしまいました!!

この病気に対する情熱や
化学物質の影響が行き着く
環境、その先の生命に対して
危惧されていることなど
多岐にわたるお話を伺っていて
ふとご年齢をお伺いしたところ
なんと御年82歳とのこと!(受診当時)
お若くて驚きました。

とても丁寧に今後、食事や
生活で気をつけるポイントなどを
図解で説明してくださいました。

治療法はない、
薬もないと思っていたのですが
対処方法はあるのだと
希望をいただきました。

 

▼行ってみた感想

 

まず理解してくれる先生が
この世に存在している!
ということが嬉しくてホッとしました。

ちなみに診察料は
実費で1万5千円ほどでした。

化学物質過敏症とは
化学物質に暴露され続けた結果、
その人の許容量をオーバーし
さまざまな症状が出る病気。

それは問診と
眼球運動などのテストで
有機リン中毒患者と同じような
自律神経系の反応がみられる
状態になっていることから
三者からも判別できること。

目に見えないけれど
確かに存在する病気であると
認めてもらえました。

宮田先生はかつて研究をしている時に
有機リン中毒になった経験があるとか。

中毒の苦しみとは
経験した人にしかわからない部分が
多いと思います。

化学物質過敏症の疑いがある方は
もし行けるなら一度
専門医に診てもらうと
前を向けると思います。

化学物質過敏症」は
2009年に厚生労働省
病名登録しているにも関わらず
この病気について
理解しようとしない医師、
精神的なものだろうという
偏見を持っている医師もいると聞きます。

私はここ1年の間に
自分と家族の入院を経験しました。
化学物質過敏症という
病気があるので香料に配慮ください」
というおしらせの紙を
入院前に病院からいただいたのですが、
柔軟剤のニオイが
ぷんぷんした看護士さんだらけで
とてもがっかりしました。
まだまだそのような認識なのです。

病院関係者がそうなら
まして一般の職場、友人、
家族にこの見えない病気の辛さを
理解してもらう事が
どれだけ大変な事か。

そもそもニオイは
とてもセンシティブな問題。
好き嫌いの問題とも勘違いされます。
ただでさえ言いにくいわけですが、
苦しくて苦しくて仕方なく
理解を求めて周囲にお願いすれば
「自分が好きな香りを否定された」
「精神的なものじゃないの?」
「神経質で面倒くさい」
と言われるとしたらあまりに辛すぎます。
二重の苦しみです。

香料がキツくて疎遠になってしまった
人間関係は数知れず。
ニオイごときでと
おっしゃるかもしれませんが、
ニオイごときで人生損失してます。
これは当事者になってみないと
分からない辛さです。
そして一度なってしまうと
かなりキツいです。

もっと重篤で寝たきりになるくらい
苦しんでいらっしゃる方も
いらっしゃると聞きます。
ネット検索するとそんな方々の
ブログがたくさんみつかります。

周囲のひとりひとりに
「ニオイを控えてもらえると
助かります」
「柔軟剤で頭が痛くなって
しまうので使うのやめていただきたいです」
「ファブリーズを使わないでいただけませんか」
と言って回るというのは...
個人では説得しきれません。
時間と労力が足りませんし
すれ違う人や飲食店で隣に座る客の
柔軟剤を止めることはできません。

この病気はきっかけや反応する
化学物質、症状には個人差が
大きいのですが
マイクロカプセル、
抗菌剤などが含まれる洗剤、
柔軟剤、消臭・抗菌スプレーで
過敏反応が出る方が
多くみられるようです。

一刻も早く企業は代替えとなる
安全性の高い製品を販売していただき、
現在100万人とも言われている
化学物質過敏症患者の
引き金となった成分が使われている
商品全ての販売中止を希望します。

年をとった両親は
近くに無香料・無添加洗剤というものが
売ってないから好きじゃないけど
香料入り・抗菌剤入りをがまんして
使っていると言っていました。

父がそんな洗剤で洗った
タオルのニオイが辛いと
ガン闘病で入院していた母も
亡くなる数ヶ月前から
言うようになっていました。
抗がん剤の副作用でニオイに過敏になることが
あるとのこと)

ひとりひとりの意識の問題だけでなく
遠くまで買い物に行けなかったり
ネット通販が苦手な高齢者もいます。

危険な製品の流通を止め
安全な製品を流通していただくのが
消費者と企業双方にとって
一番いい解決法ではないでしょうか。

100万人 対 企業 という大訴訟になる前に。

 

農業体験①

「農業体験」とか

「短期 農業」とか検索すると

収穫時などに人手がほしい農家さんが

募集を出しているサイトが簡単にみつかる。

 

そんな感じでインターネットで農業体験できる

農家さんを探した。

 

お給料は普通にその土地の最低賃金レベルを

くれるところもあればおこづかい程度のところも多い。

後者を「ボランティアバイト」

などと言い換えたりするらしい。

貴重な体験が出来るんだからお金なんていいでしょ

ということである。

ただそういうところはお金の代わりに

収穫した野菜や米などを提供してくれることが多い。

 

探し出したのがすでに夏のはじめ頃。

あまりに重い野菜だと体力的にきつそうだし

ビニールハウスじゃ生きて帰れる気がしない。

 

夜涼しそうな北海道や東北もよかったけれど

なにしろ交通費がかかる。

短期の場合交通費はもちろん自分持ち。

 

総合的に考えて私は

関東甲信越地方で果樹を作っている

農家さんに行くことにした。

田舎暮らしへの道

田舎暮らしがしたい!したい!したーーい!!!

 

なぜ田舎かというと

その1、空気がいい

その2、水がきれい

その3、人間が少ない

(これは物質的な意で

人間関係が濃いことは噂に聞いてる)

 

などが挙げられる。

どうしてそれを求めるかと言えば

空気も水も汚い都会で暮らし

都会で人間相手に仕事をしてきた結果

パニック障害うつ病、その後おまけに

化学物質過敏症になったからだ。

 

寛解はしたもののアラフォー独身女の気力体力は

この先、下降するばかりであろう。

新しい病気も出て来るかもしれない。

 

すでにそこそこ重いバッグで

両手塞がってた所へ

けっこう重いリュックサック

急に背負わされちゃったような感じ。


生活感ダダ漏れおばさんじゃないか。

いや、普段のあたしじゃないか。(ギャァ)

 

動けるうちに空気がよく、水がきれいで、

人間が少ない場所、つまり田舎で暮らす準備を

一刻も早くしなければならなかった。

 

しかしすぐに動けなかった。

まずはどこへ行くかという問題。

そして仕事はどうするのかという問題。

なんと言っても圧倒的な経済的問題。

 

何のよしみもない土地へアラフォー独身女が行ったって

怪しまれるだろう。

やばい葉っぱでも育てに来たんじゃないかとか。

 

その土地にメリットがある理由がなければ移住しにくい。

理由があれば土地の人も受け入れやすいはず。

 

子供いない。産む気なんてみじんも無い。

 田舎でも出来るような手に職を持っていない。

 

そこでまず、農業をやってみたいと思っていたので

農業体験をしに行こうと決意したのだった。

 

果たして理想の田舎暮らしへ辿り着けるのか?

記録を残していこうと思う。